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第17回統一地方選前半戦の県議選と政令指定都市の新潟市議選は10日投票、即日開票された。県議選は告示日の1日に無投票当選が決まった15人を含め53人の顔ぶれが出そろい、同市議選も新議員56人が決まった。東日本大震災や東京電力福島第1原発事故への国を挙げた対応が続き、県内でも福島県などから8000人を超える被災者が避難生活を送る異例の状況下での選挙戦となり、候補者たちは焦点に急浮上した防災や原発の安全対策の強化を口々に訴えた。一方で、被災地や避難者に配慮し、選挙カーの使用を控えるなど自粛ムードも漂った。
◆県議選
◇自民系、絶対安定多数 民主、現有議席下回る
◇社は2、公、共1議席 防災焦点、自粛ムードも
県議選(定数53)は無投票だった12選挙区(15議席)を除く15選挙区で投開票が行われ、新議員38人が決まった。投票率は統一選が始まった1947年以降、過去最低の52・88%。当日有権者数は140万2698人(男67万618人、女73万2080人)だった。
自民は堅調な戦いぶりをみせ、推薦や会派所属の現職も含め現有議席(32人)を超え34議席を確保。正副議長と四つの常任委員会の委員長ポストを独占し、常任委の過半数を占める「絶対安定多数」を維持した。
民主は当初、政権交代後初となる今回の県議選で議席の大幅増を目指したが、告示時点で公認と推薦を合わせても13人の擁立にとどまり、開票結果も現有議席(8人)を下回り7議席にとどまった。
社民は3人を擁立し、現職と元職の2人が当選し、1増となった。公明は党県本部代表の現職1人に絞った戦いに全力を注ぎ、1議席を死守。共産は4人を立て、現職1人の当選にとどまった。みんなの党は新人3人を擁立したが、初陣を飾れなかった。【小川直樹】
◇自民・高橋氏初当選 中原参院議員の後継−−新潟市西区
県議選新潟市西区選挙区(定数3)では、10年に参院議員に転じた中原八一氏の後継を目指した自民新人の高橋直揮氏(40)が初当選を果たした。
建設会社社長の高橋氏は10年に新潟青年会議所の理事長を務め、拉致被害者の横田めぐみさん(行方不明時13歳)の救出を訴える漫画冊子を発行し、両親の滋さん(78)、早紀江さん(75)夫妻を招いた講演会を新潟市内で開くなど拉致問題に熱心に取り組んだ。
初当選を決めた高橋氏は「地域や青年会議所の皆さんの支えがあって勝つことができた。きょうの日を忘れず、皆さまのために全力で働いて参ります」と抱負を語った。【小川直樹、塚本恒】
◇自民・星野氏10選 過去最多−−長岡市三島郡
県議選長岡市三島郡区(定数6)では、自民現職の星野伊佐夫氏(71)が10回目の当選を果たした。県議会事務局によると、県議会では過去最多当選。
星野氏は78年の補選で初当選。県議会では正副議長などを歴任。09年の衆院選で県内全6小選挙区で自民候補が敗れ、比例でも復活を果たせなかった党の危機的な状況を受け、同10月、党県連会長に就いた。
10選を決めた星野氏は、大勢の支持者を前に「東日本大震災があり、いま大事なのは、みんなで同じ方向を向いて支援すること」と語った。【岡村昌彦】
◇反原発派、及ばず 自民現職2人当選−−柏崎市刈羽郡
東京電力福島第1原発の事故を受け、同じ東電の柏崎刈羽原発が立地する柏崎市刈羽郡選挙区(定数2)は無風区から一転、原発の安全性を巡って論戦が繰り広げられ、注目区となった。
開票の結果、ともに原発推進の立場で自民現職の東山英機氏(66)、三富佳一氏(72)がそれぞれ8、9選を果たした。告示当日に名乗りを上げた反原発派で元刈羽村議の無所属新人、武本和幸氏(61)は出遅れが響いたが「これだけ支持が得られたのは有権者の原発への根本的な不信があるから」と選挙戦を振り返った。【岡田英】
◆新潟市議選
◇新議員56人決まる 議会改革、どう進める
政令指定都市への移行後2回目となった新潟市議選(定数56)は全8選挙区で選挙戦となり、新議員56人の顔ぶれが決まった。投票率は45・71%。当日有権者数は65万3879人だった。
西区の西総合スポーツセンターなど市内の避難所などで生活している500人以上の被災者への配慮から、西区と南区の2選挙区では現職を中心に、告示日と選挙戦最終日を除いて午後6時以降、選挙カーの使用を自粛する申し合わせをした。
当選9回の現職が県議選へくら替えし、今回の市議選では7選が最多の当選回数となった。
政令市5年目を迎え、新議員には、まちなか再生や議会改革の推進など山積する課題への対応が求められる。【黒田阿紗子】
◇民主・渡辺氏3選 選挙カー使わず遊説−−東区
新潟市議選東区選挙区(定数10)では、民主現職の渡辺和光氏(45)が「被災地のガソリン不足に配慮して選挙カーを使わない」と“自粛選挙”を貫き、3選を果たした。
東北電力社員の渡辺氏は自転車や徒歩で選挙区内を移動。「発信力は落ちるかもしれないが、わかってくれる有権者もいる」と地道に支持を訴えた。支持母体の労組や後援会などの票を手堅くまとめ、3選を決めた渡辺氏は「東日本大震災を受けての選挙。非常に厳しく難しい選挙だった。自分のスタイルで選挙カーを使わずに戦ったが、皆さんに支えられ、助けていただいた」と感謝の言葉を述べた。【黒田阿紗子、長谷川隆】
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■解説
◇民主擁立低調、震災も影響
09年9月の政権交代後初めて行われた県議選と新潟市議選は、いずれも投票率が伸び悩み、低調に終わった。その背景としては、東日本大震災に伴う県内への避難者に配慮し、候補者の一部が選挙カーの使用を控えるなど選挙戦でも自粛ムードが広がり、有権者の関心も被災地の状況から離れなかったことなどが挙げられる。
しかし、震災の影響ばかりを低調の理由にはできない。県議選では12選挙区が無投票となったが、震災前から無投票の選挙区が続出するとみられていた。無投票阻止や反原発を訴えるため、急きょ、出馬した候補もおり、無投票の選挙区がもっと多かった可能性もあった。立候補者数も75人と過去最低だった。当初は議席の大幅増を目指しながら、公認・推薦を合わせても13人しか擁立できなかった政権与党・民主党にも責任の一端がある。
震災前は、議会の情報開示が県議選の争点の一つになるとみられ、いかに県民に開かれた議会にするかの論戦が繰り広げられると期待された。ところが震災を契機に、候補者たちは防災や原発の安全対策の強化などを声高に訴えた。しかしその訴えは具体性に乏しく、抽象的な主張に終始したのは否めない。
新議員には、地域経済の活性化や被災者の支援などさまざまな課題について、具体策を提示することが求められる。【小川直樹】
4月11日朝刊
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